軽井沢近辺で見られるツキノワグマの痕跡
クマ棚
クマが木の実を食べる際にできる痕跡。木に登ったクマが、枝先の実を食べるために周囲の枝を折り、手繰り寄せることで、まるで鳥の巣のような枝の塊(棚)が出来上がる。夏季は葉が生い茂り見つけるのが困難だが、落葉シーズンになると折られた枝の葉は落ちることなく残っているため分かりやすくなる。

ウワミズザクラのクマ棚
葉が生い茂る時期は発見が難しい。

ミズキのクマ棚の下
不自然に葉や枝が地面に落ちている場所の上にはクマ棚が出来ていることが多い。

落葉した後のクマ棚
折られた枝は葉が落ちずに残っている。
糞 フン
糞の大きさは握りこぶし1つから3つ程。未消化のまま食物が排出されることが多く、種子やアリなど食べていたもの判別することが出来る。基本的には葉や木の実等を食べていることが多く、舌で全身を舐めるなどのグルーミングはほとんど行わないため糞にクマの毛が混じることは少ない。食べ物によって変化はするが、糞の匂いは獣臭などせず食べたものの香りのことが多い。
識別ポイント
● 毛が混じることは少ない(食べているものにもよる)
● 獣臭やイヤな匂いがしない(食べているものにもよる)
● 大きい(拳1~3個程)
● 1本糞かつ不定形

春先によく見かける糞。草の緑が混じることが多い。

春先でフレッシュなものは特に緑色がはっきりしている。

ヤマザクラを食べた跡の糞。種子のほとんどはそのまま排出される。

ヤマザクラを食べた跡の糞

モミジイチゴを食べた糞

蜂の巣混じりの糞(黄色い部分は蜜蝋)

堅果類を食べた跡の糞①

堅果類を食べた跡の糞②

堅果類を食べた跡の糞③
古くなると表面が酸化して黒く、硬くなる
見間違いやすい別の動物の糞

イノシシ
識別ポイント(クマ糞との比較)
・特有の鼻につく匂いがある
・ソラマメの様な塊が集合して形成されている

サル
識別ポイント(クマ糞との比較)
・特有の鼻につく匂いがある
・イノシシの糞と似る

タヌキ
識別ポイント(クマ糞との比較)
・磯臭い
・ため糞をするので大きな塊に見えるが、よく見ると小さな糞の塊である

カモシカ
識別ポイント(クマ糞との比較)
・細かく小さく、チョコボール大
足跡
写真の様にはっきりと足跡が付くのは珍しい。内またで歩くのが特徴的。

畑にできた足跡

雪の上を通った足跡

川沿いに残された足跡
クマ剥ぎ
5月から6月に多く、木部をかじったり舐めたりする。針葉樹に多い。シカも同じように樹皮剥ぎをするが、規模やめくられた樹皮の断片の大きさから予測が可能。

バナナの皮の様に剥がされた樹皮剥ぎ

スギの樹皮剥ぎ

カラマツの樹皮剥ぎ
クマ剥ぎとシカの角研ぎの違い

クマ剥ぎ
樹皮が剥がされる面積が角研ぎに比べて幅広。門歯で木部をこそぎ落とす場合もあるため縦に歯形が付くこともある。樹皮に毛羽立ち等は目立たない。

シカの角研ぎ
角を上下にこするため、樹皮が下から上に毛羽立つ。クマ剥ぎと異なり樹皮のめくれる面積は局所的。
爪痕
樹種によっては爪痕は目立ちにくい。左の写真はイヌブナの木を登った後の爪痕。急いで降りた跡は縦に長く伸びる爪痕ができるが、実際には5本の爪が木に食い込んでいたような点状の爪痕になることが多い。枝先にある木の実や葉を食べるために登る。その他には逃げる時や休憩する時に登っている。爪痕部分と樹皮の色が同じ色であれば古い爪痕。

サクラの木にできた爪痕。
古い爪痕は木の成長と共に爪痕も大きくなる。

モミの木にできた爪痕。
急いで降りる時は幹に爪を立てながら降りる為、爪痕が長くなる。

恐らく0歳の仔グマが登ったと思われる爪痕
掘跡
クマにとってアリやハチといった昆虫は好物の1つです。
朽ち木の中や腐った風倒木、切り株の下などはアリやハチが巣を作る環境です。大きな掘り返しの跡があればクマの可能性もあります。

腐った切り株部分の下を掘り返した跡

掘られてから数時間程しか経っていないものはよく見るとアリやハチが付近に大量に残っている。時間経過とともに徐々にいなくなる。

ハチの巣を破壊して食べた跡
その他の痕跡

シシウドを食べた跡。茎を食べている為、葉は地面に落ちて茎だけ食べられているような跡はクマの可能性が高い。

塗りたてのペンキを齧った跡。ガソリンやペンキなどの匂いはクマは好き。

ごみ捨て場の手形