ヒグマ猟犬からクマを殺さないクマ対策のパートナーへ
できるだけクマを殺さずに、彼らと共存していくためのパートナー、それがベアドッグ(クマ対策犬)です。

カレリア犬とは
 カレリア犬(カレリアン・ベアドッグ)は、フィンランドとロシアの国境地帯にあるカレリア地方原産の犬です。およそ100年にわたって、ヒグマ猟に向くように改良されてきました。このため、勇敢で独立心が非常に強い犬です。繊細で人に対しては優しいのですが、他の犬に対して攻撃的な面もあるため、一般家庭のペットには向きません。


カレリア犬の成犬
「ベアドッグ」の誕生
 北米ではクマをできるだけ殺さずに、人とのあつれきを解消する方法が模索されており、クマを捕まえて学習させる方法や、クマ撃退スプレー、ゴム弾、花火弾といった殺傷能力のない道具を使った対策が行われてきました。
 こうした中で、クマ対策専門家であるキャリー・ハントCarrie Hunt)氏はカレリア犬の性質に注目し、世界でも例のない、ベアドッグ(クマ対策犬)チームを結成しました。

軽井沢でクマ対策を試みた
キャリー・ハント氏のベアドッグチーム
 多くの猟犬は獲物に襲いかかるという習性をもつのに対して、カレリア犬は主人が来るまでクマを一ヶ所に留めておくというスタイルをもっています。この点が人・犬・クマの安全を求める対策の方針に合致したのです。

ベアドッグを用いる効果
 クマに人間の領域を回避させるために、ハント氏はベアドッグ(クマ対策犬)やさまざまな道具を使って、人間の方が優位であることを教え込みます。ベアドッグを使うことによって、人間の安全が確保され、クマにはより効果的に学習させることが可能になりました。
 また、クマの行動を矯正するだけではなく、人々に活動への理解を求め、被害の予防を行ってもらうことも大切です。

ヒグマに吠えるベアドッグ
 高度に訓練されたベアドッグは、一般の人々へのこうした普及・啓発活動にも貢献してくれます。なぜなら、プログラムを紹介する上で人目を引き、雰囲気をやわらげてくれるからです。