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活動報告

「ベアドッグ未来プロジェクト」クラウドファンディングご支援のお礼とご報告

2023年12月から2024年1月にかけて実施した、次世代のベアドッグを育成するためのクラウドファンディング「ベアドッグ未来プロジェクト」に、753名もの方々から総額900万円を超える多大なご支援をいただきました。心より感謝申し上げます。

皆さまからの温かいご支援は、ベアドッグの繁殖活動と、そのための諸経費に幅広く活用させていただきました。

ベアドッグ繁殖の道のり

当初、ベアドッグ「レラ」の繁殖を目指し、繁殖育成スペースの整備と並行して活動を進めました。しかし、レラの発情サイクルが不安定なため、日本の動物検疫制度では米国にいる相手のオス犬を呼ぶタイミングが難しく、代わりにレラが渡米することになりました。

 

2024年7月、レラはアラスカで無事に交配に成功し、8月には妊娠が確認されて帰国しました。出産予定日を待ちましたが、残念ながら陣痛が起きず、9月28日に帝王切開による緊急手術が行われました。3頭いた子犬のうち2頭はすでに亡くなっており、唯一救出できた子犬「ハッティー」もわずか9日間という短い命を終えました。

この悲しく辛い出来事に直面し、ベアドッグの世代交代が困難になるのではないかと途方に暮れていた矢先、米国でのベアドッグ育成機関「WRBI」のディレクターから、ある1頭の子犬の写真が届きました。その子犬「スシャナ」は、亡くなったハッティーと顔がそっくりで、当プロジェクトに再び希望の光を灯してくれました。

私たちは、この運命的な出会いを大切にし、スシャナと共に日本で次世代のベアドッグを育てることを決意しました。

ご支援で実現したこと

今回のクラウドファンディングでいただいた支援金は、ベアドッグ繁殖に向けた様々な費用に充てられました。具体的な費用は多岐にわたり、繁殖を試みたレラの人工繁殖や帝王切開手術などの医療費や、専門家であるブリーダーへの報酬、そしてレラやスシャナの渡航費や海外における検疫期間中の滞在費用をカバーすることができました。

今後の活動を見据え、ベアドッグたちがより安全で快適に過ごせるよう、繁殖小屋やドッグランの改修、パピーラン(子犬用スペース)のフェンス強化、監視カメラやバイオトイレの設置といった施設の整備にも使わせていただきました。

今後の展望

スシャナは日本の動物検疫規定のため、生後11か月までアラスカで待機した後、2025年6月に来日しました。新しいハンドラーとの訓練も始まる中、クマの活動が活発になる季節に入り、現場対応に集中しておりましたが、漸くご報告ができることとなりました。

ベアドッグの歴史は、決して平坦な道のりではありません。しかし、皆さまの温かいご支援とご期待が、私たちの活動を力強く支え続けています。私たちはこれからも、人とクマとの共存を目指し、次世代のベアドッグを育成していきます。

今後のスシャナの成長と活躍にどうぞご期待ください。引き続き、クマ保護管理事業にご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。