クマの行動から読み解く、施設のための安全対策現地調査

先日、クマの目撃情報があるエリアにある観光施設様より、スタッフの皆さまの安全と安心を高めるための危機管理講習についてご相談をいただきました。講習に先立ち、施設の状況とクマの出没傾向を正確に把握するために実施した、スタッフによる現地調査の内容をレポートいたします。
クマの行動様式を深く理解する「クマの目線」での調査
まずは施設のご担当者様から、周辺の地形、土地の利用状況、過去の目撃情報など、広範囲にわたる詳細な情報をお伺いしました。その後、ご担当者様と一緒に施設周辺を歩き、土地利用の状況、植生、そしてクマが残した具体的なサインや痕跡などを細かく読み解いていきます。

長年にわたりクマの生息環境で活動し、個体管理を続けてきたピッキオの独自の知見を活かし、「クマの目線」で現場を深く見つめます。これにより、クマが「なぜ、この場所を選んだのか」「何を求めて、どのルートを通るのか」といった行動様式を具体的に推測でき、その施設に本当に役立つ、実効性の高い安全対策をご提案することが可能になります。


現場で「無理なく続けられる」実現性の高い対策をご提案
現地調査では、すでに施設様が取り組まれている対策も詳細に精査しました。
その上で、より効果が見込める具体的な改善策を、現場での取り組みの難しさも踏まえて、実行可能な優先順位とともにご提案させていただきます。
私たちが目指すのは、すべてを一律に対応するのではなく、対象となるクマの行動や個性を理解した上での、安全で持続可能なアプローチです。地域とクマの個体ごとの特性を踏まえ、現場で無理なく続けられる現実的な対策を段階的に組み立てていくことで、スタッフや来訪者の皆さまの安全確保を支えます。
この調査結果をもとに、来月には、施設の皆さまがクマの行動を正しく理解し、現場で安全に対応できるようになるための専門講習を実施する予定です。