現状を科学的に把握し、24時間体制で防除する
ピッキオが最優先にしているのは人身被害を避けることです。そのために、人家周辺でのツキノワグマの追い払いや、昼夜を問わない通報対応を実行しています。また、クマの基礎的な情報を集めて、より客観的な判断が下せるように努めています。

人身被害を避けるための24時間体制
■捕獲と学習放獣■
 クマが活動する春から秋まで捕獲作業を行っています。捕獲されたクマには、人を見たら距離をとることを学習放獣によって教えます。

■行動調査■
 檻で捕まえたツキノワグマに首輪式の電波発信器を取り付けて、再び山に放します。その後の居場所は、アンテナで電波を受信することによって把握することができます。継続的に居場所を調べることによって、そのクマの利用する場所がわかるほか、被害を出しているクマを特定することができます。


電波によってクマの位置を探る

 

■深夜巡回と追い払い■
 軽井沢でツキノワグマが町中に出没するのは、ほとんどが夜間です。このため、夜8時から朝5時頃まで、受信機とアンテナを持って町内を巡回し、一頭一頭の性質を詳細に把握します。
 ゴミを荒らしているクマがいた場合には、爆竹などを使って追い払います。ゴミに強く執着しているクマは、人間とベアドッグ(クマ対策犬)が直接追い払います。このような体験をさせて、「やってはいけない行動」と「いてはいけない場所」を教え込み、人間に対する恐怖心も持たせます。

深夜、クマの位置を探る
詳しくは→ ■ベアドッグ

■通報対応■
 私たちは、役場や警察とも連携して、ツキノワグマの出没情報を積極的に集めています。住民からの通報は24時間受け付けており、いつでも現場に急行してクマが出没した原因を特定します。また、通報者にはクマを誘引しないためのアドバイスを行い、その後の安全確保に役立ててもらいます。迅速な対応と、こうした対応の積み重ねによって原因の特定が容易になり、より効果的な対策をとることができます。
詳しくは→ ■普及・啓発

■ゴミ巡回■
 ツキノワグマによるゴミ荒らしの被害が頻発する初夏の頃から被害が減る初秋まで、早朝にゴミ集積所を巡回し、ゴミが荒らされる時期や場所、頻度などをチェックします。これらの結果は、ゴミを荒らすクマを特定することに役立つほか、ゴミ集積所の改善を進める上で、優先順位を判断する材料にもなります。

ツキノワグマに荒らされたゴミ集積所
詳しくは→ ■野生動物対策ゴミ箱


基礎的な情報の収集
■食性調査■
 ツキノワグマの糞や食べた跡を調べることによって、彼らが何を食べているのかが分かります。行動調査の結果と合わせると、クマにとって重要な生息環境が明らかになり、これらは生息地を管理する際に重要な情報となります。


クマも好きな山菜(ウド)

ナワシロイチゴ
■生息環境調査■
 秋のドングリ類はツキノワグマが冬眠や出産をする上でとても重要です。また、ツキノワグマの人里への出没は秋の実りにも左右されるといわれています。これらのことから、特にドングリに注目して、複数の場所での実り具合を調べています。


ミズナラのドングリ