第3段階に入ったクマ対策 ―人身事故を避けるために―
さまざまな対策の進展により、ゴミを得にくくなったツキノワグマは人家周辺の食物も狙うようになりました。クマを引き寄せないようにする住民一人一人の努力が必要です。ピッキオはクマの追い払いを強化します。


軽井沢町はどこにある?

 

 軽井沢では、生ゴミが放置されていたり、ゴミ集積所のルールが守られなかったりしたため、 ツキノワグマがゴミの味を覚え、人間を怖がらなくなりました。そのために、多くのクマがゴミ 集積所でゴミをあさっていました。

 

第1段階―ツキノワグマ一頭一頭を調査する
 ピッキオは人身事故を防ぎ、必要のないツキノワグマの駆除も避けるために、1998年から科学 的な調査と対策を始めました。捕獲されたクマに電波発信器を付けて追跡することによって、 一頭一頭の性質と行動様式を把握しました。そして、「誰」がゴミあさりをしているのか、「誰」 が危険なのかを特定して、それぞれに対策を打つことにしました。軽井沢町もこの対策を支持し、 2000年からは町の委託事業になりました。


夜間にゴミをあさるツキノワグマ
第2段階―ゴミ集積所の改善とツキノワグマの学習放獣
 別荘管理会社やペンションが、ピッキオのアドバイスを受けながら自主的にゴミ集積所を改善 するとともに、役場も公共のゴミ集積所を改修し始めました。ピッキオは、危険と判断したツキノワ グマを捕獲して薬殺する一方で、山に帰らせることが可能であると判断したクマには、人との距離をとるように教える学習放獣を行いました。


発信器を付けて山に帰す
第3段階―ツキノワグマの追い払いを強化
 ゴミ集積所でゴミを得にくくなったツキノワグマの一部は、人家の納屋やテラスなどにある食物や ゴミを狙い始めました。そこで、ピッキオでは捕獲に伴う学習放獣だけでなく、人家に近づ くクマの追い払いを始めました。夜間、発信器の電波を頼りにクマを待ち伏せ、爆薬(法的に承 認されているもの)やモデルガンなどを使って山に追い払います。2003年夏には、ベアドッグ(クマ対策犬)をアメリカから呼んで、追い払いを強化しました。


物置に上ったツキノワグマ
一人一人の注意がカギ
 2009年、公共のゴミ集積所でのゴミ荒らし件数が、とうとう0件になりました。しかし、町内にクマが生息していることには変わりがなく、別荘地などに残された豊かな自然環境が移動経路や滞在場所になっています。また、農作物被害は依然として発生しています。今後の課題として、こうしたクマとの緊張感のある関係を継続していくことがあげられます。
 ピッキオは本格的にベアドッグを使い、 追い払いを強化していますが、軽井沢に住む一人一人がクマの存在を意識し、自宅のゴミや食料を管理してクマを引きつけない ようにしなければなりません。人身事故を避けるために、住民や別荘に滞在される方々の協力が不可欠です。
 なお、ピッキオでは注意看板やホームページ、ブログなどで、町内におけるツキノワグマの目撃等の情報を公開しています(→軽井沢町のクマ情報)。現状を知っていただき、ご自身でできる対策をお願いいたします。