雲場池で発生したクマによる人身事故ならびに周辺地区での出没について

2008/11/13 NPOピッキオ

1. 経緯
(1)6日
13:30
・三人連れの観光客が、旧軽井沢近くにある雲場池西岸の遊歩道を一列で歩いていたところ、ササ(アシ?)のあるところでガサガサという音を聞く。
・犬でもいるのかと思って通り過ぎたところ、最後尾の方がクマに後ろから押し倒された。
・クマは池に飛び込み逃げていった。

14:00
・観光客はそのまま帰宅するが、成沢地区付近で背中の痛みが気になり、救急車を呼び軽井沢病院へ。背中に4cmと2cmの爪跡が付き、全治5日間の傷であった。

14:00
・雲場池から500mほど離れた旧軽井沢ロータリー2付近で、精進場川から上がってくるクマが目撃された。
・クマは道路を横断したところのお宅周辺で2分間程度うろうろした後、洗濯物を倒して逃走した。目撃情報から成獣個体と考えられた。

14:30〜
・ベアドッグ、猟友会、警察、軽井沢町、長野県佐久地方事務所がクマの追跡を行った結果、旧軽井沢ロータリー2付近の別荘地周辺をうろうろし、北上したと考えられた。
・行く先不明のため、日没時に捜索を打ち切った。
・広報車、防災無線で、新・旧軽井沢、軽井沢地区へクマ出没情報を呼びかけた。
・クマ出没看板を雲場池の南入り口と北入り口に設置。

(2)7日
7:00〜8:00
・通学路および雲場池周辺をベアドッグ他でパトロールした。異常無し。
・離山に捕獲檻を設置。

(3)8、9、10日
・引き続き、周辺をパトロールした。異常は認められず。

2.事故現場および周辺の環境
(1)事故現場
・歩道の東側はすぐに池となっている。アシ原は幅約1〜1.5m、草丈約0.5〜1mで、ここにクマがいたとすれば辛うじて身を隠せる程度の広さである。
・遊歩道西側は別荘地が迫り、歩道沿いの低い斜面には柵、有刺鉄線、石垣が続き、圧迫感を感じる。
・遊歩道の上面にはモミなどが枝を伸ばしており、トンネル状になっている。
・雲場池西側の遊歩道の道幅は約1m強と非常に狭く、1列にならないと歩けない。
→事故現場周辺は道の片側が池、片側が柵となっており、クマが完全に隠れられる場所もない。逃げ場所を失い、追いつめられたような心理状態であったところで複数の人間との距離が非常に近くなり、接触に至ったのではないか。

(2)周辺
@移動ルート
・事故現場は離山のへりから約100mの距離にあり、この間は緑地が連続している。
・緑地は主に別荘の庭となっているが、やぶは少なく、落ち葉もきれいに掃かれている。
・クマの移動の障害となるような石垣やしっかりとしたフェンスがあるのは一部の別荘のみで、多くの別荘では簡易な柵やひもで境界線を区切っている。
・移動ルートとして精進場川が使われている可能性は高い。しかし、川縁はほぼ垂直のコンクリート堤となっているので、上り下りする場所は限られていると思われる。実際に、堤の段が低くなっているところで、クマの出入りが確認されている。
・2004年8月1日に、旧軽井沢ロータリー2では、今回とは別のクマによる人身事故が発生している。離山などの北側の山塊と当地点の間には、クマの出没しやすい環境が形成されているのかもしれず、精進場川はその一つになっている可能性が高い。

A食物環境
・雲場池周辺の別荘地には、クマの食料となるクリなどの落葉広葉樹が多くみられる。
・軽井沢周辺の堅果類(クリ、ドングリなど)の実りは平均すると並作と評価され、発信器を装着した個体16頭は、広葉樹がまとまって分布する山の奥に滞在している。

お問い合わせは
 軽井沢町観光経済課農林係 0267−45−8572
     ピッキオ          0267−46−3818