人と野生動植物の共存をめざして
緑豊かな軽井沢でも、さまざまな野生動植物の問題が起きています。ピッキオでは問題を解決するための調査や対策を行い、地域生態系の保全に向けた総合的な活動を展開しています。

浅間山麓の現状
 軽井沢のある浅間山麓は、豊かな自然が残る地域です。冷涼な気候と豊かな自然は避暑地として国内有数の魅力を誇り、年間800万人もの人が訪れます。

 このような状況の下で、人と野生動植物との間にはさまざまなあつれきが生じています。開発によって草原環境が失われたことによって、そこをすみかにしていた動植物が激減し、生態系維持に大きな役割を担っているサクラソウなどの植物が希少になりました。一斉植林されたカラマツ林の成長と林業の衰退による人工林の荒廃や、伐採による広葉樹林の減少等は、森をすみかとする多くの野生動植物にとって、生息環境の減少や悪化の原因になってきました。


森の中に立ち並ぶ別荘

カラマツの人工林
 さらに、人間の認識や配慮が足りないこともあったため、ツキノワグマが人家周辺にたびたび現れ、ゴミや人間の食べ物に執着するようになってしまいました。また、日本本来の生態系に悪影響を与えるアライグマなどの外来種が野生化し始めており、生息数が増加するにつれて人間が生活するうえでの被害も報告されるようになっています。

NPOピッキオの活動方針
 こうした現状を受けて、私たちは浅間山麓全体の地域生態系保全生物多様性維持のために活動したいと考えるようになりました。

 地域の自然や文化を財産として残しながら、資源として持続的に活用するエコツーリズムには、地域の自然や文化を保全するしくみと活用するしくみが必要です。


軽井沢町の花 サクラソウ
 
 ピッキオでは、科学的な調査を通じて浅間山麓の生態系で起こっている現象を正確に把握することに努めています。その上で問題点を見出し、自ら野生動植物の保護管理を実践するとともに、将来における保全のビジョンと具体的な改善策を行政や関連機関に提案しています。

 また私たちは、調査活動や保護管理・保全活動を、エコツアーや環境教育プログラムの開発のためにも活用したいと考えています。

NPOピッキオの活動内容
地域の自然を理解し、保全するために、以下の活動を行ってきました。

・浅間山麓における森林生態系の調査と保全活動
  自然の変化を知るための鳥類や昆虫類のセンサス
  いくつかの動植物の生活史に関する調査
・浅間山麓における草原生態系の調査と保全活動
  在来草原の生態系を解明するための調査とフィールド整備
  草原環境の保全に関する地域住民との協議等
・特定種を保護あるいは管理する活動
  ゴミなどに餌付いたツキノワグマの被害対策と保護管理活動
  野生化した外来種、アライグマを生態系から排除する対策

現在はツキノワグマの被害対策と保護管理活動を重点的に行っています。